リエゾンセンター・ライブラリー「デザイン新刊本」紹介【2023年4月-6月】
リエゾンセンター・ライブラリーは、東京ミッドタウン・デザインハブ内にあるインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで、毎月10日ほど不定期で開室しています。
こちらでは、広義の「デザイン」に関連する書籍をピックアップし、各出版社さまにご献本(又はお貸出し)いただいて展示する「デザイン新刊本紹介コーナー」を設けています。展示用POPの右端にあるQRコードを読み取っていただければ、その場で本をご購入いただくことも可能です。
今回は、2023年1月〜3月に出版された本の中から、 30冊をご紹介します。
「自ら学ぶ力」を育てる GIGAスクール時代の学びのデザイン
樋口綾香 著(東洋館出版社)
1人1台端末が配備された、GIGAスクール時代における授業の悩みに応える1冊!
【本書からわかること】
・「もっと効果的にICTを活用したい!」先生の悩みに応える
・小学校で育てたい情報活用能力がわかる
・GIGAスクール時代の授業の具体が見える
副田高行 著(玄光社)
1980年代から現在まで広告の第一線で活躍するアートディレクター・副田高行。
彼が手掛けてきた新聞広告から100点をセレクトし、制作の経緯やエピソードを綴った本人解説と合わせて紹介。
芸術のわるさ コピー、パロディ、キッチュ、悪 ※6月10日に刊行が延期となったため、来期に展示予定
成相 肇 著(かたばみ書房)
雑誌、マンガ、広告、テレビ……。戦後日本を賑わせた複製文化を読みとき、機知と抵抗の技術としての〈わるさ〉を呼び戻す。異端の学芸員によるゆかいな評論。
この、あざやかな闇 行きずりの人たちのスナップショットでたどる現代社会
ジェフ・シャーレット 著 / 安達真弓 訳(駒草出版)
Netflixシリーズ『The Family』の著者が、世界各地の闇に潜む輝きを、あざやかに切り取ったフォト+散文集。
ブックデザインは佐々木暁氏。
オオヤ ミノル 著(誠光社)
情報消費、権威主義、労働者と消費者の物象化と疎外、シェアという名の労働力搾取まで、昨今の小商いにまで侵食する不可解な現象を、社会契約論にまでさかのぼり、共有地、贈与、ローカルなど広範囲にわたるキーワードとともに考察した、痛快かつ深い喫茶・小商い論。
せんだいメディアテーク 編(岩波書店)
〈公共〉は人からできている――文化の結節点(ノード)としてのせんだいメディアテークが編む、50人の実践と思考の集積。
わたしたちの価値観をかたちづくる言葉の吟味を通じて〈公共〉を問い直す。
デジタル社会の多様性と創造性——ジェンダー・メディア・アート・ファッション
田中洋美 / 高馬京子 / 高峰修 編(明治大学出版会)
ジェンダー、メディア、アート、ファッションという観点から浮かび上がってくる現代社会とは? 学術・アート・ファッションといった様々な分野で活動する専門家らが今世紀の新展開を見据え、現代社会の多様性と創造性を論じる。明治大学情報コミュニケーション学部ジェンダーセンターの運営委員として携わってきた編者たち等が中心となり、学内外の研究者と共同で行った研究成果。
跳躍するつくり手たち 人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー
川上典李子 / 京都市京セラ美術館 編(美術出版社)
「跳躍するつくり手たち:人と自然の未来を見つめるアート、デザイン、テクノロジー」(2023年3月9日~6月4日)の公式図録。人間や地球の歴史を意識しながら、柔軟な発想でめざましい活動を展開する日本のアート、デザイン分野の気鋭の20作家(個人・チーム)を取り上げます。
NASAのロボット蜂 偉大な発明でたどるロボティクスとAIの歴史
ロバート・ウォー 著 / 土屋誠司 訳(創元社)
アメリカ航空宇宙局のNASAが国際宇宙ステーションに送り出した「ロボット蜂」(キューブ型ドローン)はじめ、本書は、ロボットが機械人形であった時代から自動運転車や家庭用ロボット、そして人間の知能を凌駕するAI(人工知能)の誕生まで、ロボット工学の長い歴史の中で最も画期的な50の発明を取り上げ、その背景や人間社会に与える影響に迫ります。
夫馬信一 著(国書刊行会)
かつて隆盛を極めたものの今は消えてしまった全国各地11店の老舗デパートを徹底取材。関係者の証言や当時の新聞記事などをつぶさに取り上げつつ、その黄金時代から閉店までの興亡の歴史を日本の戦後史とともに振り返る傑作ノンフィクション。
カラー口絵16頁。貴重図版300点以上掲載!
藤田 忍 著(水曜社)
大阪・梅田から歩いて15分ほどの北区豊崎の長屋街に、どんな人が住んで、何を実現しているかを紹介。
長屋の空間的・経済的な可能性を探り、新しい長屋のムーブメントを巻き起こすための戦略を提言する。
菊地信義 著(作品社)
生きていることのすべてが装幀の素材になっていた。
一万五千点余の本を手がけた稀代の装幀者が語り下ろした、本と装幀への思い。
雑草ラジオ 狭くて自由なメディアで地域を変える、アマチュアたちの物語
瀬戸義章 著(英治出版)
アマチュア集団が作った「背負って運べるラジオ局」が、世界⼀の災害⼤国に広がり始める! 先駆者たちの軌跡から、開発・実装のドタバタまで ── ⽇本〜インドネシア、縦横無尽の物語。
社会を変える草の根アクションの可能性とおもしろさを⽣き⽣きと語る!
認知症世界の歩き方 実践編 対話とデザインがあなたの生活を変える
筧 裕介 / issue+design 著(発行: issue+design / 販売: 英治出版)
大ヒット書籍「認知症世界の歩き方」に待望の「実践編」が登場!
認知症のある方の生きる世界 を楽しく理解し、この世界を生きる必須スキル、ご本人との「対話」 と生活環境の「デザイン」 を学びましょう。
幅 允孝 著(弘文堂)
「人が本の場所に来ない時代」に「人がいる場所へ本を持っていく」仕事を積み重ねてきたブックディレクターが、各界の差し出し手の元を訪ね、「もの」や「こと」の差し出し方のヒントを探る。
さらに、著者が手掛けてきた仕事を振り返りながら、様々な場所での多様な本の差し出し方も紹介。
震災復興はどう引き継がれたか 関東大震災・昭和三陸津波・東日本大震災
北原糸子 著(藤原書店)
関東大震災(1923年)を、都市計画等のみの視点でなく、避難民・犠牲者・罹災者という“人間”に焦点をあてて描いた『関東大震災の社会史』(2011年刊)を中心に、「近代復興」の系譜を、起点としての関東大震災、それを引き継ぐ昭和三陸津波(1933年)、そして東日本大震災へと辿る、“震災と人間”研究の決定版。
金森 穣 著(夕書房)
すべてはこの国の劇場文化のために — 新潟で日本初の劇場専属舞踊団Noism Company Niigataを設立、踊り、創り、率いてきた舞踊家の18年の軌跡。
存続の危機を乗り越え、今ようやく「市の文化政策」となったNoism が目指す、劇場のあるべき姿とは。そして新生Noism の行方は。現代を生きるすべての人に贈りたい、胸が熱くなる渾身の回顧録!
岡本 仁 著(芸術新聞社)
あの伝説のカルチャー誌『relax』の元編集長で、現在『暮らしの手帖』、『&Premium』など多くの連載をもつ編集者・岡本仁の人気インスタグラムを書籍化!
今日しかない今日を撮りつづけて10年間、約8000枚の写真の中から選んだいま、伝えたいもの。伝えたいことを伝えるために挑んだはじめての写真集。
かつとんたろう著 / 山﨑友也 口絵写真 (交通出版社)
小田急電鉄の前身「小田原急行鉄道」が設立されたのは、100年前の1923年5月1日のこと。沿線の発展とともに進化を遂げてきた小田急電鉄の変遷を、ロマンスカーの歴史を中心に、役割や設備の変化、線路の地下化・複々線化といったトピックスを交えつつ多面的にひも解いていく。
サトウ タツヤ、安田裕子 監修 / 上川 多恵子、 宮下 太陽 、伊東 美智子 編 / 小澤 伊久美 編著(新曜社)
TEAの理論と実践を一冊に凝縮!
人びとのライフ(生命・人生・生活)のありようを図を用いて分析するTEA。研究領域が広がり、理論的にも進展するなかで、創意工夫が積み重ねられてきた。本書は魅力的な図の研究例を満載した見本帳で、TEAの歴史や基礎知識も学べる初学者必携の書。
細萱久美 著(淡交社)
大館曲げわっぱ、中華せいろ、アイヌの木彫り盆……。日々の食卓を彩りあるものにする台所用品・食卓の道具を約50点紹介します。㈱中川政七商店バイヤー時代のノウハウを活かし、現在はセレクトショップを主催する著者が普段づかいする「育てていく楽しみがあり」「機能ゆえに生まれたデザイン性をもつ」道具とは。多くの道具と接してきた著者が語る、道具選びのポイントも必見の一冊です。
森 まゆみ 著(産業編集センター)
やっぱり、アジアはおもしろい。50代から60代にかけて、アジアの国々を訪ね歩いた著者の旅紀行。
現地の人々とのふれあいや美味しい食事との出会いのほか、その国の歴史や文化を著者独自の視点で考察したユニークな旅の記録。時に旅情豊かに、時に舌鋒鋭く描かれる森まゆみならではの旅を味わえる一冊。
池 炫周 直美 / エドワード・ボイル 編著(北海道大学出版会)
地理的な国境変更や国境政策のみならず、境界地域に暮らす人々の意識の多層性や変容、難民受入れや外国人労働者問題、無国籍など人びとの視座からみた国家の境界性を考察。現在の日本が抱える社会問題を、境界をキーワードに国家と人びとの相克として分析する意欲作。
新井浩子 著(春風社)
明治期から続く生活記録報道運動を経て、戦後の女性の文章表現や生活記録運動に至る、書き合い読み合うことによる学びの系譜を、日本各地の取り組みから検証。自己教育・相互教育の手立てとしての生活記録の実践と理論の展開をひもとき、生活を書く・読むことによる表現や経験を顧みる。
[新版]我々は 人間 なのか? デザインと人間をめぐる考古学的覚書き
ビアトリス・コロミーナ 、マーク・ウィグリー著 / 牧尾晴喜 訳(ビー・エヌ・エヌ )
人間はデザインし、デザインしたものによってデザインしかえされる── 大きな反響を呼んだ越境的デザイン考、待望の復刊! 先史時代(石器)から現代(ソーシャルメディア)に至るまでの、人間と人間が作り出した人工物(artifact)との関係性を照らし出すことで、現在の私たちが理解している「人間」と「デザイン」の意味に揺さぶりをかける本書は、近年注目を集める存在論的デザインへの最適な入り口となる一冊です。
岸 昌史 著(クロスメディア・パブリッシング)
「強い組織」で結果を出し続けた著者が学んだ、エクセレントチームの共通点とは。
ロジカルに人の心を動かす。メンバーが仕事を自分事化して急成長するためのアプローチ。
栗澤 順一 著(KADOKAWA)
「待ちの本屋」から「使ってもらう本屋」へ。今なすべきことは何か。
盛岡の老舗本屋・さわや書店現役外相部員の著者が語る「本とのタッチポイントを町中に多数作る」ノウハウと、これからの書店の在り方。
ヨコとタテの建築論 モダン・ヒューマンとしての私たちと建築をめぐる10講
青井 哲人 著(慶應義塾大学出版会)
建築家は家屋の海原の中に聖堂をつくる。ヨコの広がりの内に、タテの力が働く場をつくり出そうとするのです──(本書より)
当たり前をじっくり考え直すこと、学び直すこと。
私たち=現生人類の本性に立ち返り、建築の思考をいきいきと語る。
相似の海としての「建物」の広がりから、「建築」はいかに世界と未来の幻視を立ち上げるか───。
東京藝術大学大学院での講義から生まれた出色の入門書。
奥野武範 構成・文 / 山口一郎、蔡忠浩、岸田繁、曽我部恵一、甲本ヒロト 著(青幻舎)
「バンド」のその魅力、そのふしぎさとはいったい何なのか。 サカナクションの山口一郎さん、bonobosの蔡忠浩さん、くるりの岸田繁さん、サニーデイ・サービスの曽我部恵一さん、ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトさん、それぞれの答え。
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2022年10-12月に出版された本は、こちらのページでご紹介しています!