【Report】青果物の安定供給へ向けたシステムデザインの第一歩
去る6月14日、農林水産省が推進する「モデルハウス型植物工場 実証・展示・研修事業」の実施拠点として設けられた、千葉大学環境健康フィールド科学センター(千葉県柏市)の専用施設の開設記念式典がおこなわれました。
開所記念式典には200名近い列席があり関心の高さがうかがわれました
工場敷地内の栽培用施設
人工光型植物工場の内部
太陽光型施設におけるトマト栽培の様子
展示施設でおこなわれた千葉大生によるデザイン提案プロジェクトの発表
デザイン提案を手がけた千葉大関係者の皆さん
■information
農林水産省 植物工場 実証・展示・研修事業 千葉大学拠点
国立大学法人千葉大学 環境健康フィールド科学センター
千葉県柏市柏の葉6-2-1
http://www.h.chiba-u.jp/center/plant-factory/
記事/秋元淳(JDP)
開所記念式典には200名近い列席があり関心の高さがうかがわれました
この工場は、天候や経験・勘など不安定要因に左右されやすい青果物の収穫を抜本的に改善し、安定的な生産供給をもたらすための研究・実証拠点として、農林水産省が推進してきた事業において、初の実施施設となるものです。
青果物の管理栽培と収穫を一貫しておこなう植物工場は、すでに全国で50箇所程度が稼働していますが、これまでの実績を通じて課題点も多く、特にコストやエネルギー消費、採算面などでよりいっそうの改善が求められていました。
今回、千葉大学内に新たに開設された植物工場は、「高度な環境制御による植物の周年計画生産を目的とする栽培施設」という位置づけのもと、いくつかの特色があります。
施設・設備面では、太陽光を利用するタイプと人工光を利用するタイプをそれぞれ設置し、コンピュータとヒートポンプ制御を駆使した環境調節技術を応用し、低コストかつ省エネルギー性に優れた生産システムを形成しています。これらの施設ではおもにトマトとレタスが栽培されますが、従来に比べて大幅な収穫量の増加と生産コストの削減を図ることを目標にしています。
青果物の管理栽培と収穫を一貫しておこなう植物工場は、すでに全国で50箇所程度が稼働していますが、これまでの実績を通じて課題点も多く、特にコストやエネルギー消費、採算面などでよりいっそうの改善が求められていました。
今回、千葉大学内に新たに開設された植物工場は、「高度な環境制御による植物の周年計画生産を目的とする栽培施設」という位置づけのもと、いくつかの特色があります。
施設・設備面では、太陽光を利用するタイプと人工光を利用するタイプをそれぞれ設置し、コンピュータとヒートポンプ制御を駆使した環境調節技術を応用し、低コストかつ省エネルギー性に優れた生産システムを形成しています。これらの施設ではおもにトマトとレタスが栽培されますが、従来に比べて大幅な収穫量の増加と生産コストの削減を図ることを目標にしています。
運営面の特色としては、実証実験のテーマに対して、運営の中枢となる千葉大学をはじめとした教育機関や60社以上の企業から構成されるコンソーシアムが複数設けられていること。それぞれのコンソーシアムが「競争」することにより、より効率の良いシステムの運用が期待されます。このような体制で試行的に数年にわたり運用されたあとは、専門のNPO法人などによる工場経営も視野に入っているようです。
工場敷地内の栽培用施設
人工光型植物工場の内部
太陽光型施設におけるトマト栽培の様子
このように青果物の安定供給に向けた新しい取り組みが多く見受けられる中で、プロジェクトの骨子の一つとして注目したいのが、「展示・研修」という要素です。千葉大学ではこのテーマに対して、工場と同じ敷地内に展示用の施設を設けており、ここを拠点に実証実験の進捗状況やそこで用いられる技術、成果など、植物工場の理解を深めるための情報発信に取り組むとのことで、いわば植物工場の広報拠点機能を担っています。
今回の開設記念式典に合わせて、展示施設では千葉大学工学部デザイン工学科の学生により、野菜の流通をテーマとしたデザイン提案の発表がおこなわれました。植物工場で栽培・収穫されたトマトとレタスの流通パターンとして異なる4つのルートを想定し、それぞれにふさわしい野菜の売り方を、パッケージや販促ツールのデザインを通じて提案するものです。当日は施設内でデザインを考案した学生たちにより、来場者への熱心な説明がおこなわれていましたが、当日に来場した人を対象に実施したアンケート結果で、もっとも支持を集めた提案をベースに、「千葉大学の野菜」としてのブランド化に向けた具体的な取り組みを進めることになるそうです。
今回の開設記念式典に合わせて、展示施設では千葉大学工学部デザイン工学科の学生により、野菜の流通をテーマとしたデザイン提案の発表がおこなわれました。植物工場で栽培・収穫されたトマトとレタスの流通パターンとして異なる4つのルートを想定し、それぞれにふさわしい野菜の売り方を、パッケージや販促ツールのデザインを通じて提案するものです。当日は施設内でデザインを考案した学生たちにより、来場者への熱心な説明がおこなわれていましたが、当日に来場した人を対象に実施したアンケート結果で、もっとも支持を集めた提案をベースに、「千葉大学の野菜」としてのブランド化に向けた具体的な取り組みを進めることになるそうです。
展示施設でおこなわれた千葉大生によるデザイン提案プロジェクトの発表
デザイン提案を手がけた千葉大関係者の皆さん
植物を科学的に管理された環境のもとで栽培し、安全な品質と安定した供給量を実現することへのニーズはますます高まると考えられます。そのために、施設や設備の整備はもとより、運用面として、専門人材の育成や、新しい植物の生産体系に対する社会的な啓蒙など、ソフトの構築に本格的に乗り出している点で、従来から明らかに前進しているという印象を受けました。
そして、より信頼性の高い食料品の生産・供給のサイクルを確立するうえで、デザインが効果を発揮する可能性もまた大きいと考えられるでしょう。
なお、展示施設は今後も、植物工場に関する展示だけでなく、学生による環境や「食」などをテーマとしたデザイン提案発表の場としても活用されることになっており、こちらも大学による新たな取り組みとして期待されています。
そして、より信頼性の高い食料品の生産・供給のサイクルを確立するうえで、デザインが効果を発揮する可能性もまた大きいと考えられるでしょう。
なお、展示施設は今後も、植物工場に関する展示だけでなく、学生による環境や「食」などをテーマとしたデザイン提案発表の場としても活用されることになっており、こちらも大学による新たな取り組みとして期待されています。
■information
農林水産省 植物工場 実証・展示・研修事業 千葉大学拠点
国立大学法人千葉大学 環境健康フィールド科学センター
千葉県柏市柏の葉6-2-1
http://www.h.chiba-u.jp/center/plant-factory/
記事/秋元淳(JDP)






