【WDOイベント】World Industrial Design Day デザイン・ダイアローグを開催
日本デザイン振興会は、World Design Organization(WDO)の加盟メンバーであり、現在理事として組織運営にも参画しています。日本からは他に多摩美術大学、千葉大学、武蔵野美術大学、及び日本インダストリアルデザイナー協会が加盟メンバーとなっています。6月29日は、WDOの創立記念日で、「World Industrial Design Day」(WIDD)として世界共通のテーマをもとに世界中の加盟メンバーが様々なイベントを開催して、毎年誕生日を祝うことになっています。今年のテーマは「DESIGN FOR EVERYDAY LIFE」(日常生活のためのデザイン)。このテーマを私たちは、「コロナ禍を経て、この後の社会や生活をどうデザインするか?」という課題と捉え、日本の加盟メンバーの3大学の学生と、プロフェッショナルデザイナーとの対話を通じて共に考えるべく、オンライン・イベントを開催しました。
WIDD 2020 デザイン・ダイアローグ
2020年6月29日(月) 20:00〜21:50 (Zoom Meetingにて開催)
参加者:
*田中一雄さん(株式会社GKデザイン機構代表取締役社長、日本インダストリアルデザイナー協会理事長、WDO リージョナル・アドバイザー)
*多摩美術大学
美術学部 プロダクトデザイン専攻4年 溝口 稜大さん、大塚 匠さん、伊藤 綾香さん
*千葉大学
融合理工学府 創成工学専攻 修士1年 佐藤 克海さん、高橋 咲さん
工学部 総合工学科 デザインコース4年 中村 朝輝さん
*武蔵野美術大学
造形学部 工芸工業デザイン学科 IDコース 3年 李 康赫さん・伊志嶺 光さん (プロダクトデザインゼミ)、岡田 悠さん(カーデザインゼミ)
司会:津村真紀子(日本デザイン振興会 事業部課長 WDO Boardメンバー)
テーマ:「時代の転換期におけるデザイン」
学生の皆さんには、事前に下記の田中さんからのメッセージを読んだ上で、現在自分が考えていることをレポートで出していただきました。
田中さんからのメッセージ:今回のコロナショックは、近代資本主義への挑戦であり、「大きな物語」の終焉ともいえるでしょう。時代は完全に20世紀モデル(大都市、大企業、大量生産、物質文明、機械技術)から、21世紀モデル(地域社会、ベンチャー、最適化、精神文化、デジタルテクノロジー)への急速な移行を開始しました。この歴史に残る転換点において、次なる人類は何処へいくのか、その時デザインは何をすべきかを考えたいと思います。
学生の皆さんからは、
*当たり前が当たり前でなくなる ー潜在する問題の顕在化
*未来をつくるデザイナーの責任
*「家空間」に対する考え方の変化
*「シェアリング」に代わる価値観
*オフラインでしかできないことの価値の再認識
*「オンライン」と「オフライン」の能動的選択
などのキーワードが上げられました。ディスカッションの後半は、はからずも急激に「オンライン」が日常生活の中に入り込み、人々の価値観が大きく変わってしまった中で、デザインが取り組むべきことは何か、「オンライン生活」を経験したからこその、リアルな体験の価値についての考察、オンラインで実現できることのさらなる深化、などデザインの役割として今後考えられることについて、大いに話が盛り上がりました。インダストリアルデザインを学ぶ学生の皆さんにとって、経験豊かなプロフェッショナルデザイナーの方と直接対話ができた貴重な機会となりました。ダイアローグの詳細は、下記議事録をご覧ください。
WDOは、デザイン団体の国際的なプラットフォームとして、こうした機会を通じて加盟メンバー同士の交流の場などを今後も提供してまいります。
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