リエゾンセンター・ライブラリー「デザイン新刊本」紹介【2023年10月-12月】
リエゾンセンター・ライブラリーは、東京ミッドタウン・デザインハブ内にあるインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで、毎月10日ほど不定期で開室しています。
こちらでは、広義の「デザイン」に関する新刊書籍を約3ヶ月毎にピックアップし、各出版社さまのご協力のもとで、ご献本、またはお貸し出しいただいた本を展示する「デザイン新刊本紹介コーナー」を設けています。展示用POPの右端にあるQRコードを読み取っていただければ、その場で本をご購入いただくことも可能です。
今回は、2023年7月〜9月に出版された本の中から、24冊をご紹介します。
・黒い直方体と交錯するパッサージュ 大阪中之島美術館建築ドキュメント 学芸員・行政担当・コンペ審査員・構造家・建築家の証言
・「グリーン・ハウス」があった街 メディア文化の街はどこへ向かうのか
・HOME
・おいしいもんには理由がある
・道具のブツリ
・DESIGN AND PEOPLE |Issue No. 1 デザインは主語じゃない
・ジェンダー目線の広告観察
・人類学者と言語学者が森に入って考えたこと
・これから学芸員をめざす人のために
・ビジュアル NASA図鑑 宇宙開発65年の全記録
・デザイン、学びのしくみ ニューヨークの美大講師が考える創造力の伸ばし方
・賃金の日本史 仕事と暮らしの一五〇〇年
・ニューメディアの言語 ─デジタル時代のアート、デザイン、映画
・建築家による「日本」のディテール モダニズムによる伝統構法の解釈と再現
・つくる人になるために 若き建築家と思想家の往復書簡
・文化的持続可能性とは何か 文化のゆるやかな共鳴を捉えるために
・縮小社会の文化創造 附:「縮小社会のエビデンスとメッセージ」展の記録
・刻んでおきたい名作コピー120選
・多拠点で働く 建築・まちづくりのこれから
・デザインディレクションブック
・オッス!食国 美味しいにっぽん
・井戸端からはじまる地域再生 暮らしから考える防災と観光(JCA 研究ブックレット No.32)
・より良い世界のためのデザイン 意味、持続可能性、人間性中心
・マイヤ・イソラと旅する手帖 マリメッコの伝説的デザイナー マイヤ・イソラの創作の旅
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黒い直方体と交錯するパッサージュ 大阪中之島美術館建築ドキュメント 学芸員・行政担当・コンペ審査員・構造家・建築家の証言
遠藤克彦 著(青幻舎)
美術館構想から約40年、関西最大級の美術館として2022年2月に開館を果たした大阪中之島美術館。
徹底した公平性と透明性が貫かれた設計者のコンペで選ばれたのが、当時スタッフ5名という遠藤の事務所だった。
業界をざわつかせた「異例の選出」が「異彩を放つ黒い箱」を生んだ軌跡を、発注側・選ぶ側・使う側・つくる側という違う立場からの証言でつづる、公共建築と建築家の新しい在り方を示唆するドキュメント。
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「グリーン・ハウス」があった街 メディア文化の街はどこへ向かうのか
仲川秀樹 著(学文社)
中心市街地のメディア環境を形成し、地元の人びとに多くの影響を与えた洋画専門館「グリーン・ハウス」。
そして現在、あらためて中心市街地再生のためにいかにメディア文化的環境が必要かを問いただす。
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林廉恩(リン・リェンエン) 著 / 一青窈 訳(山烋のえほん)
HOME おうち
それは はじまりの場所
HOME おうち
それは かならず
もどってくる場所
あなたのおうちは
どんな場所?
言葉少なで、音楽的なテキスト
ダンボールやチラシ、ビスケットの箱、新聞など身近なものを使ったコラージュ
読者自身が絵を読みながら物語をふくらませ、語りたくなる絵本。
台湾発!世界が注目する話題の絵本。歌手・一青窈、初めての絵本翻訳!
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土井善晴 著(ウェッジ)
料理研究家・土井善晴さんがキッチンを飛び出して、全国の食文化を訪ね歩いた記録です。
たとえば一子相伝の江戸佃煮を伝える職人や華やかな加賀料理の伝統を守る料亭の主人に会い、出羽三山ではもぎ立ての山菜を山小屋の主人と味わう。
風土が生んだ食材と食文化を体感することで紡がれた土井さんの文章は、時に文化論的思索にもおよびます。
「一汁一菜」とはまた違う視点から日本の食文化を見つめなおす一冊です。
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田中幸、結城千代子 著 / 大塚文香 絵(雷鳥社)
点で突き刺すフォーク、慣性の法則で水を切るざる、 無限の刃渡りをもつピザカッター、空中の支点でてこを動かすハサミ…etc.
理にかなったものは美しい。
25個の生活道具とそこに隠されたブツリをひも解く、風変わりで、やさしい、物理学の入門書。
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DESIGN AND PEOPLE |Issue No. 1 デザインは主語じゃない
田川欣哉 他 著(コンセント)
《対話とエセー》によるデザイン誌創刊号。
デザインの当事者たちが、あらゆる領域・垣根を超えて、外向きではなく自らの言葉で、自身の仕事と生活についての考え方、デザイン哲学を語り、当事者同士のゆるやかなつなぎ直しの契機を模索していく。
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小林美香 著(現代書館)
巷にあふれる広告を読み解き「らしさ」の呪縛に抵抗する。
コンプレックスを刺激する脱毛・美容広告、バリエーションの少ない「デキる男」像、性感染症予防啓発ポスターと性教育、広告業界の根深いジェンダーギャップ……
私たちを取り巻く広告を観察し、無意識に刷り込まれる規範や価値観を解きほぐす1冊。
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奥野克巳、伊藤雄馬 著(教育評論社)
東南アジアの狩猟採集民であるプナンとムラブリ。 それぞれの人々を研究対象とする人類学者と言語学者が語り合う。
「無所有の原理」 「お米を貰っている時に、さらに別の要求ができるのはなぜ?」 「生に関わることは分業しない」 「生きづらい社会の外側に出るためには……」 など、 プナンとムラブリと寝食を共にして得た知恵を、人間の生のヒントとして考えていく―― 日本を代表する人類学者・奥野克巳と気鋭のフィールド言語学者・伊藤雄馬による初の対談集。
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杉本 竜 著(創元社)
たとえなりたくても採用そのものが非常に少ない職業、学芸員。その狭き門にアルバイト職員が数多く採用されている三重県の桑名市博物館現役館長が、大学では教えてもらえない、学芸員の目指し方とハードで多岐にわたる仕事の内容を事細かに伝授。
決して安直に夢を与えることなく、就職してから挫折しないためのノウハウも盛りだくさん。厳しさを増す、令和の時代の博物館学芸員を生き抜くための指南書としてもおススメの一冊です。
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ビル・シュワルツ 著 / 岡本由香子 訳(日経ナショナルジオグラフィック)
ジョン・F・ケネディ大統領の有名なスピーチ、アポロ計画、月面着陸、スペースシャトル、国際宇宙ステーション、火星への旅、銀河系外への探検など、1958年の創設からジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡までを網羅した、65年にわたるNASAの宇宙開発の全記録。
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デザイン、学びのしくみ ニューヨークの美大講師が考える創造力の伸ばし方
遠藤大輔 著(ビー・エヌ・エヌ)
ニューヨークの有名美術大学、プラット・インスティテュート(プラット)で著者が実践するデザイン教育の解説書。
デザインの学びには「しくみ」があり、そのしくみを理解することで誰もが創造性やデザインを学べると考える著者のメソッドを公開。
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高島正憲 著(吉川弘文館)
昔の人びとは、どんな仕事でどれほどの給与を得て、生活水準はどの程度だったのか。賃金額はどう決められ、その背景にある社会はどう変化していったのか。
正倉院に保管された日本最古の賃金記録から、明治時代の職人の収入までの記録・史料を博捜し、推計値を導き出す過程を丹念に解説。1500年にわたる日本の賃金史を、数字とデータで読み解く。
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ニューメディアの言語 ─デジタル時代のアート、デザイン、映画
レフ・マノヴィッチ 著 / 堀 潤之 訳(筑摩書房)
本書は、“ニューメディア”を特徴づける原則を抽出し、デジタル・マテリアリズムとでも呼ぶべき方法で、体験を構成する諸概念を鮮やかに分析。また同時に、視覚文化の変貌を歴史的に位置づけていく。
マクルーハン以降、最も示唆に富むメディア史。
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建築家による「日本」のディテール モダニズムによる伝統構法の解釈と再現
青柳憲昌 著(彰国社)
今なぜ「日本」のディテールなのか?12人のモダニズムの建築家による構法の詩学!戦後「日本的なもの」とは何かという問題について、建築家は伝統意匠の中から近現代にふさわしい表現を模索してきた。
本書は丹下健三、篠原一男、吉田五十八、前川國男など12人の建築家による伝統意匠の解釈と「ディテール」を、図面で読み解く。再び「日本」が建築における主題となりつつある今、建築家の思索を辿ることは多くの示唆を与える。
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光嶋裕介、青木真兵 著 / 青木海青子 画(灯光舎)
建築する日々に励みながら、旅先でのスケッチや執筆活動にも精をだす若き建築家と、奈良の山村に私設図書館をつくり、執筆や自主ラジオなど様々な形でメッセージを発信する若き思想家が、些細な日常の出来事や思索をつぶさにみつめて綴った往復書簡。
私たちにとって「つくる」とはなにかを問いかけ、つくる喜びについて対話を重ねながら、生き物として生きやすい社会を模索していく。
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文化的持続可能性とは何か 文化のゆるやかな共鳴を捉えるために
原知章 編著 (ナカニシヤ出版)
経済・社会・環境を文化から問い直す、日本の事例に基づくポストSDGs時代の人文学論集!
人類学、民俗学、考古学を横断しながら、資本主義・消費社会の網目に完全には絡めとられない余白を見出し、生活空間を主体的かつ自律的に維持・運営するための文化を持続させる人々の営みを描き出す。
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縮小社会の文化創造 附:「縮小社会のエビデンスとメッセージ」展の記録
山田奨治 編(思文閣)
「豊かさ」が文化を生み出してきた従来から転換し、社会が縮小する時代に人々が生み出し享受する文化とはどのようなものになるだろうか。
現代の日本で新たな思想や価値につながる何かが芽生えているのか。あるいは制度や社会的な圧力によって生まれなかったものがありはしないか。国際日本文化研究センターでの共同研究会をもとに、多種多様な専門をもつ執筆陣がそれぞれの視角からの問題提起を行う。
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副田高行 監修 / 安藤隆、一倉宏、岩崎 俊一、児島令子、前田知巳、眞木準 著(玄光社)
1980年代から2020年代まで、日本人の心に残る広告コピー、キャッチフレーズを作って来た6人のレジェンドコピーライター(安藤 隆・一倉 宏・岩崎俊一・児島令子・前田知巳・眞木 準)が自らセレクトした名作コピー120本を紹介する。
誌面では当時の新聞広告のビジュアルとコピーを並べて掲載。コピーライターがひとつの言葉をどのように捻出して来たのか。どうしてこの広告が生まれたのかを作者自らが詳しく解説してくれる。
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西田司、永田賢一郎、勝亦優祐、丸山裕貴、大沢雄城 編著
藤沢百合、石飛 亮、杉田真理子、加藤優一、中山佳子、梅中美緒 著(ユウブックス)
都市圏と地方を跨ぎ、活動する建築家や都市・まちづくりの実践者が増えています。
出身地のまちづくりに関わる、二拠点で事務所を運営する、定期的に島に通うなど9組のさまざまな働き方を紹介し、縮小時代の建築家の可能性を探る一冊です。
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橋本陽夫 著(マイナビ出版)
製品・商品のデザインの適切さは、その製品の成功に大きく関わります。製品のデザインをディレクションする立場になったビジネスパーソンが、デザインを発注、管理、評価するための、基本的な考え方とルール、方法論を実践的にまとめました。「的確なデザイン」のために、 ビジネスパーソンがディレクションをきちんと行えるようになるためのガイド。
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小倉ヒラク 著(KADOKAWA)
発酵文化のスペシャリストが日本古来の食文化を神饌をキーワードに紐解く。発酵をめぐる旅を続ける著者が、その土地ごとの食のありかたを観察するなかで見えてきた、人々の暮らしや気候風土、死生観や政治経済。古代の日本人たちが感じていた食の世界にタイムスリップする1冊です。
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井戸端からはじまる地域再生 暮らしから考える防災と観光(JCA 研究ブックレット No.32)
野田岳仁 著 / 小田切徳美 監修(筑波書房)
「公共水場への政策的関心」、「長野県松本市による公共水場整備事業」、「公共水場の機能と所有意識」 、「公共水場に対する所有意識と社会的権利」 、「公共水場を「井戸端」にする方法」のテーマで公共水場中心にコミュニティや防災、観光などの暮らしを考えた。
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ドン・ノーマン 著 / 安村通晃、伊賀聡一郎、岡本明 訳(新曜社)
急速な技術革新の一方、気候変動や地球環境の汚染、行き過ぎた資本主義などの危機に直面している。
政治・経済を含む何世紀にもわたってデザインされた実践の結果だ。人間性中心の、意味のある、持続可能な、我々の行動を変えるためのデザインの提言。
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マイヤ・イソラと旅する手帖 マリメッコの伝説的デザイナー マイヤ・イソラの創作の旅
kinologue 編(kinologue books)
日本でも人気の北欧デザインブランド「マリメッコ」にて 500以上のデザインを手がけた伝説的デザイナー、マイヤ・イソラ。
マイヤの人生を辿るドキュメンタリー映画 『マイヤ・イソラ 旅から生まれるデザイン』を中心に、旅をしながら、たくさんの恋をして、自由な創作を続けたマイヤ・イソラの人生と彩り鮮やかなデザインを堪能!オールカラー112P、ポケットサイズで宝物のような愛しさのある一冊です。
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2023年4-6月に出版された本は、こちらのページでご紹介しています!
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