[Report]「第7回サステナブルデザイン国際会議」タイ・バンコクで開催
12月11日~13日にかけて、「第7回サステナブルデザイン国際会議」がタイ・バンコクで開催された。「サステナブルデザイン国際会議」は、インダストリアルデザイナーの益田文和氏(東京造形大学 教授/株式会社オープンハウス 代表/公益財団法人日本デザイン振興会 理事)を中心とした実行委員会により、地球環境と共生しながらサステナブル(持続可能な)社会を実現するために、デザインの視点から私たちの生活や経済と産業、文化多様性について考える場として2006年より開催している。7回目を迎える今回は、初の海外開催としてタイ・ランシット大学との共催によりおこなわれた。
はじめの2日間は、アジアを中心とした様々な国からの参加者と共にバスツアーでバンコク周辺の環境事情や農村地域を見て回る "Traveling Workshop" がおこなわれ、サステナブルな暮らしかたとコミュニティについて考える旅となった。バンコク郊外のカオソン民族の村を見学し、高床式の住居や畑をやり機織りをする生活を見学。また、夜はカンチャナブリ付近の森の中のスナンタワナラム寺院に宿泊し、僧侶による談話と現代社会におけるデザインについての意見交換がされた。この寺院はタイ経済成長時に荒れてしまった土地へ日本人僧侶がインドを経て辿り着き、10万本の苗木を植え森を育てたという森林派の僧院。周辺の村人に寺院の建設や植林など乾期時の仕事を与え、雇用と教育の機会を生み出してきた。
2日間の"Traveling Workshop"ののち、グループに分かれ旅で考え感じた事を発表し合い、これからの暮らしとコミュニティについての提案をまとめた。3日目にランシット大学で国際会議をおこない、経済発展著しいアジアにおけるサステナブルデザインと社会変革をテーマとしたゲストスピーカーによる講演、ラウンドテーブル、グループごとのワークショッププレゼンテーションを終え修了した。
今回の会議では、日本、タイ、インド、インドネシアなどのほか、カンボジアからも若者達の参加があり、文化や歴史、生活環境の全く違う場所から来た仲間と一緒に旅をすることで、会議内だけでなく日常会話の中からも新鮮なアイデアや視点を得る事ができた。
大震災と原発事故を経て物質的な豊かさへの依存状態から目を覚まされた私たちにとって、人のくらしの原点とも言えるような小さな村の生活やコミュニティから学ぶことは大いにある。人が人を必要とし、手分けして仕事をし、不便だがいきいきと暮らしている。場所と環境は違えど心豊かな未来の生活へのヒントとなり得るのではないだろうか。
次回の「第8回サステナブルデザイン国際会議」は2013年6月8日~10日に北九州で開催される予定だ。
第7回サステナブルデザイン国際会議 http://www.sustainabledesign.jp/
日 時
2012年12月11日(火)、12日(水)バンコク周辺での"Traveling Workshop"
2012年12月13日(木)ランシット大学にて国際デザインシンポジウム"Work in Progress"
内 容
・オープニングスピーチ
Dr. Arthit Ourairat(タイ・ランシット大学学長)
・基調講演
Mr. Singgih S.Kartono(インドネシア・Magno Brand 代表)
Prof. Fumi Masuda(日本)
Prof. HanKoning(オランダ・Hanze University of Applied Sciences)
・パネルディスカッション Theme: Work in Progress
Mr. Makorn Chaowanich(タイ・President of Industrial Design Association)
Mr. Sirisak Kosspacharin(タイ・President of TACGA)
Mr. Chatpong Chuenrudeemol(タイ・Director of Bangkok Architectual Reesearch)
Mr. Praveen Nahar(インド・Associate Senior Faculty of Industrial Design, NID)
共 催
ランシット大学、サステナブルデザイン国際会議実行委員会
なお、2月8日に第7回会議の報告会が東京で開催される。
シンポジウムで基調講演をおこなったMr. Singgih S.Kartono(インドネシア・Magno Brand 代表)による講演も併催の予定。
第7回サステナブルデザイン国際会議 報告会
日 時 2013年2月8日(金)19:00~20:30
会 場 インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター
(東京ミッドタウン・デザインハブ内)
※ 申込等の詳細はサステナブルデザイン国際会議の公式ホームページにて近日公開予定
http://www.sustainabledesign.jp/
"Traveling Workshop" ーバンコク郊外のカオソン民族の村を見学
"Traveling Workshop" ー森の中のスナンタワナラム寺院に宿泊
"Work in Progress" ー最終日、ランシット大学にて開催された国際シンポジウム
執筆/鈴木紗栄(JDP)






