【リエゾンセンター・イベントレポート/2024年6月23日】JDMAシンポジウム「リージョナルデザインの新たな潮流と展望」
JDMAシンポジウム2024
[ リージョナルデザインの新たな潮流と展望 ]
■第1部 リージョナルデザイン委員会
JDMA代表理事 玉田俊郎
開催趣旨:「今、なぜリージョナルデザインの時代なのか」
これまで「地域」を「中央」から経済的に振興を図る対象として考えられてきました。しかし地域には価値の高い「文化・歴史」、「風土・資源」、「伝統技術」を有しています。この多面的な価値を見出し、統合して新たな価値を創出していくのがリージョナルデザインの重要な役割について述べました。
■第2部:講演
講演者:村田智明
テーマ:「リージョナルデザイン思考で活きる地域創生」
地域創生で成功している地域には、必ずと言っていいほど、リージョナルデザイン思考が活かされています。本講演では、村田氏が実践提唱している10のメソッドを事例とともに解説を行いました。
講演者:高須賀活良
テーマ:「産業を文化として伝えるハタオリ学の実践」
富士山の麓にある郡内織物産地では、衰退し続ける産地の問題に対して、8年前から「ハタオリマチのハタ印」(織物産業×観光)の取り組みとして、工場のブランド化やオープンファクトリーなどの活動を行なってきました。2024年からは新たに、産業を文化として地域の人々に伝えていくプロジェクト「ハタオリ学」が始まりました。今回の講演では、産地の周囲に広がる地域の活動を紹介し、地域全体でどのように産業を活性化させているかを紹介しました。
講演者:浦田 薫
テーマ:「海外から見る日本の産業、工芸、地域性の魅力と将来的な課題」
・Red Dot Museum 館長のVito ORAZEM(ヴィト・オラゼム)氏のThe Kouba Principle展のコメントを紹介。
・メゾン&オブジェに出展した江戸東京キラリ展に関与するパリ市が協賛・支援するファッション、デザイン、工芸のインキュベーションセンターBureau副代表者 Frédéric Bouchet(フレデリック・ブシェ)氏のコメントを紹介。
ドイツとフランスでデザイン組織を牽引するお二方のコメントから「日本の産業、工芸、地域性にどのような魅力を感じていらっしゃるのか」を紹介しつつ、欧州におけるリージョナルデザインの一端を考察しました。
■第3部:パネルディスカッション
玉田俊郎(モデレーター)、村田智明、高須賀活良、浦田 薫、加藤公敬(JDMA常任理事)、内田芳嗣(JDMA理事)
パネルディスカッションでは第1部、第2部で提起されたリージョナルデザインの事例や方法論を通して、今後の展望や課題、取り組みについてフロアーを交えて討論しました。
■交流会
実施イベント名:JDMAシンポジウム「リージョナルデザインの新たな潮流と展望」
開催日時:2024年6月23日(日)13:00-18:00
会場:インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター(東京ミッドタウン・デザインハブ内)
登壇者:玉田俊郎、村田智明、高須賀活良、浦田 薫、加藤公敬、内田芳嗣(内ZOOM参加2名)
協力: 公益財団法人日本デザイン振興会
参加費:無料
参加者:41名