#128 PVC Award 2023 展示会【東京】
3月2日(土) - 3月11日(月)
GOOD DESIGN Marunouchiでは、3月2日(土) - 3月11日(月)まで、塩ビ工業・環境協会/日本ビニル工業会/日本ビニール商業連合会/日本プラスチック製品加工組合連合会が主催する、PVC(塩ビ)素材の特長を活かした魅力ある製品を表彰するコンテスト「PVC Award 2023」の展示会を開催します。
PVCは、省資源で耐久性、難燃性、リサイクル性に優れたプラスチック素材です。本コンテストを通して、PVCの特長を活かして社会に貢献している製品の発掘を目指しています。今回は防災や環境負荷低減に貢献する作品が多かった点も特徴でした。展示会を通して、できるだけ多くの方にPVC製品の魅力に触れていただきたいと思います。
なお、展示会の来場者による人気投票でオーディエンス賞が決定します。奮ってのご来場と投票をお願いします。
◻︎PVC Award 2023について
【テーマ】「生活を豊かにするPVC製品」
【審査基準】
・テーマとの整合性
・市場性:市場の規模・売上・伸び等実績、潜在市場獲得力があるか
・機能性:PVC素材の特長が活かされ、機能性を有する製品であるか
・独創性:新規性や創造的な発想・表現がデザインされているか
・環境・社会貢献度:リサイクル、健康、防災、省エネなどへの貢献
【応募作品数】64点
【PVC Award公式サイト】 http://pvc-award.com/
【お問合せ】info@vec.gr.jp (PVC Award 2023事務局)
◻︎展示作品(一部)
※本年は大賞は該当なし
【準大賞】1点
エスロン大型建物用雨とい 超芯V-MAX
積水化学工業株式会社
概要:従来、金属製でしか作れなかった大型建物用の雨といを塩ビ製(ポリエステルシートの両面にPVCを積層)に材料変更する事で、重量を50%低減。また、金属加工職人の減少や施工日数の短縮、省力化などの諸課題を解決した。審査会では、斬新な発想と技術的に難しい多層成型がチャレンジングである点が高く評価された。昨今の豪雨対策のみならず、軽量化・長寿命化の実現にも高い評価が与えられた。
【優秀賞】4点
芯が見えるボール hinomarc.(ヒノマール)
AtoKA(アトカ)
概要:空気ビニールの特性(透明で強い)を活かし、透明なボールの中央(重心)に赤い球を配置。サッカーなどの球技では、ボールの重心を如何に捉えるかを知ることで、練習の効率が上がる。審査会では空気ビニールを利用した発想が斬新である事、および、加工技術的な困難さを克服した点が評価された。
CELLワインバッグ
株式会社河野プラテック
概要:空気ビニールの特性を活かした「CELL」が、衝撃吸収と保冷に寄与(試験では2m高さから落下させても瓶は割れなかったとか…)。また、汚れても簡単に水洗いでき、繰り返し使える。「どこでも、だれでもワインを一番おいしく」をコンセプトに、Makuake(クラウドファンディング)にて商品化。テレビ東京「男子ごはん」にて紹介。審査会では、見た目の良さ/デザイン性が高く評価された。また、本製品は塩ビ素材の特長(彩色性と透明性、ウェルダー加工性)が良く活かされていることも評価された。
スリム内副管マンホール継手
前澤化成工業株式会社
概要:下水道施設計画・設計指針の改定(2019年)に伴い、マンホールの内側に内副管の敷設が必要になった。しかし、マンホールに数個の配管を付設するとマンホール内での作業性が低下する。本製品は流路を楕円型にすることで約30%の小型化を達成し、マンホール内の作業スペースの確保を可能にした。施工性と管内の閉塞対応も考慮されている。審査会では、楕円形の押出成形は技術的に難しく、地味ですがマンホール内での安全面への寄与が評価された。
車両水没防止カバー COVO
有限会社マルゴオート
概要:万が一の洪水の時、車をまるごと包み水に浮かせる製品。柔軟性・強度・防水性に優れるPVCターポリン製で、接合部には防水ジッパーを使用しており、小さく折りたたんで収納できる。プールで検証したところ2週間以上浮き続けた。審査会では、近年の気候激甚化対策として、PVCターポリンで車全体を包む発想が斬新と評価された。
【特別賞】3点
機能的装飾義手
株式会社佐藤技研
概要:塩ビの特徴(耐久性、耐薬品性、難燃性および易加工性)を活かした長期間の使用に耐えうる義手・義足。義手・義足に求められる重要な要素(人体に近い適度な表面摩擦力と柔軟性、リアリティ)を加工技術の最適化により両立。利用者の心情に寄り添った製品と言える。審査会では、塩ビ製でシリコンゴム製並みのリアルさを実現できたことが評価。
PAPER JACKET flex
竹野株式会社
概要:『マグネット×てこの原理』のクリップをウエルダー加工を用いてシームレスに一体化し、『綴じる』と『包む』という2つの機能を両立。最大30枚の用紙をズレなく綴じて持ち運べる。また、2023年グッドデザイン賞を受賞、Makuake(クラウドファンディング)にて製品化(5,046人から支援)。審査会では、マグネットの存在を感じさせないシンプルなデザイン/形状が評価された。
軽トラ積載給水タンク アクアテナー
株式会社ナショナルマリンプラスチック
概要:軽トラを利用した給水タンクで、PVCターポリンの強さと耐久性、ウェルダー加工性を活用。使用後は製品を折りたたみ、コンパクトに収納できる(耐久年数は10年以上)。タンク素材は食品衛生法に適合。審査会では、どこにでもある身近な軽トラを活用して、被災地域に飲料水を届ける試みが評価された(70人分/日)。
【入賞】5点
アップサイクル 丸洗い犬の散歩バッグ/株式会社コロニーファクトリー
Bloom lampshade series(ブルームランプシェードシリーズ)/有限会社アスポ
Kdome(ケードーム)/株式会社ナショナルマリンプラスチック
キャップモタナ~い/森松産業株式会社
サラリアシリーズ/アキレス株式会社
◻︎ 審査員講評
・芝浦工業大学デザイン工学科教授 橋田規子委員
「本年の受賞製品は、塩ビのタフで信頼のおける特質を活かした、水害対策系の製品が多かったと思います。準大賞は多層成形の大型雨どいで、技術的に難しい成形を達成し、軽量になることで施工の負荷が減らせる点が良かったと思います。また、優秀賞の楕円形にすることでスリムにした内副管マンホール継手はとても明快な解決策でした。大切な愛車を水害から守る車両水没防止カバーは大変良く、さらに一人でできるとより良くなると思います。デザイン性では優秀賞のワインバックがとてもキュートで見ているだけで楽しくなるデザインです。またキャップモタナーいはシートのカットのみでできる面白い作品でした。今年は応募総数自体が少し減少したようですが、次回はたくさんの応募をお待ちしています。
・日刊工業新聞社論説委員・編集委員 山本佳世子委員
本審査の審査委員の顔ぶれは多様です。外部委員の場合はデザイン性を重視したり、一般人にとっての使い勝手や環境意識を考えたりして、評価をします。対して、業界のプロフェッショナルの委員の場合は、「他に同様のものがない、新しい発想に基づくものか」「技術的に難しいところに挑戦したものか」といった観点で、応募作品を見ています。こういった複数の切り口でアワードを議論することは、楽しく充実した活動といえます。けれども近年は残念ながら、どの観点でも高得点だったり、観点は一部であっても飛び抜けて魅力的だったり、という大賞となる作品が出ていません。ポストコロナで様々な活動が動き出していますが、社会は以前と同様ではない新たなステージに入っています。そのエポックを感じさせるような大賞候補が出てくることを、次回は期待したいと思います。
GOOD DESIGN Marunouchi #128
PVC Award 2023 展示会【東京】
会期:2024年3月2日(土) - 3月11日(月) 11:00 – 20:00 最終日17:00終了/入場無料/会期中無休
会場:GOOD DESIGN Marunouchi(東京都千代田区丸の内3−4−1 新国際ビル1F)
主催:塩ビ工業・環境協会/日本ビニル工業会/日本ビニール商業連合会/日本プラスチック製品加工組合連合会
お問合せ:info@vec.gr.jp (PVC Award 2023事務局)