【WDOイベント】UN WOMENとのコラボレーション トークイベントを開催
World Design Organization (WDO)は、「デザインによる、よりよい社会の実現」をめざして活動している国際的なデザイン組織です。現在約40の国・地域から173の団体や教育機関・企業等がメンバーとなっており、日本からは、千葉大学、武蔵野美術大学、多摩美術大学、日本インダストリアルデザイナー協会、日本デザイン振興会が加盟しています。
去る12月9日に、WDOとUNWOMEN(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)とのコラボレーションプロジェクトの成果発表として「World Design Talks - Design Against Gender Based Violence」 がオンラインで開催されました。世界では三人に一人の女性が何某かの暴力を受けた経験を持っています。WDOは、UN WOMENとのコラボレーションを通じて、特にアジア太平洋地域で因習的に繰り返されているVAW(女性に対する暴力)の問題を、デザインにより顕在化させ、解決策を見出すことを目指してきました。今回は、UN WOMENのキャンペーン「16 Days of Activism against Gender-Based Violence」の一環としてWDOのトークイベント「World Design Talks」を開催し、プロジェクトの成果を振り返りました。
コラボレーションは、今年4月からスタートし、8月に2週間、世界29カ国から112名のデザイナーやUNWOMEN関係者が集まり、6つの注力すべきテーマごとにチームに分かれてオンラインワークショップを実施しました。6つのテーマとは、
1. いかにコミュニティのリーダーや影響力のある人を巻き込むか
2. 固定概念を変えるためにいかにメディアを動かすか
3. いかに人々の心に訴えかけ、共感して行動に移すよう働きかけるか
4. 男性の役割に対する考え方をいかに変えるか
5. 「女性に対する暴力は普通のことだ」という考え方をいかに変えるか
6. 性役割や暴力に関する家庭内での子供に対する教育をいかに変えるか
で、それぞれのチームにおいて熱心な議論が行われました。当日は、プロジェクトに参加したデザイナーによる「VAWハザードマップ・アプリ」のアイディアや、ウガンダで既に教会コミュニティを利用して問題を解決しているソーシャルワーカーの事例などが紹介され、深い共感を呼んでいました。
デザイナーにとってもUNWOMENにとってもこのワークショップはよい刺激となりました。特にUNWOMENの方には、デザインでこの問題を解決する可能性について新鮮な驚きを持って迎えられました。今後も続く具体的なプロトタイピングに向けてプロジェクトは更に続く予定です。
World Design Talks - Design Against Gender Based Violenceの詳細は下記からご覧ください。
https://wdo.org/programmes/wd-talks/un-women-16-days-of-activism/