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[Report] Milano Salone Description報告会レポート 2017/05/31


去る5月31日(水)、インターナショナリ・デザイン・リエゾンセンター(東京ミッドタウン・デザインハブ)にて、Milano Salone Descriptionによるミラノサローネ報告会が開催されました。




ミラノサローネ国際家具見本市をはじめ、イタリアのミラノで無数のイベントが開催される4月恒例のミラノデザインウィーク。その模様を現地からほぼリアルタイムでリポートするフェイスブックページ、Milano Salone Descriptionは今年で5回目を数えます。

今回の報告会では、Milano Salone Description主催のもと、スピーカーにデザインジャーナリストの土田貴宏 氏とクリエイティブディレクターの青木昭夫 氏が登場。お二人が約300枚のスライドを披露しました。また、数多くのデザイナーやブランドの新しい動きを紹介し、土田氏と青木氏がそれぞれ選んだミラノデザインウィークの個人的ベスト3や、ウィークを通じて浮かび上がってきたトピックスやトレンドも発表しました。



今年のミラノサローネ国際家具見本市は、2年に1度行われる照明の展示会エウロルーチェが同時開催されました。エウロルーチェで特に評価が高かったのは、イタリアを代表する照明ブランドのフロス。コンスタンティン・グルチッチ、ロナン&エルワン・ブルレック、マイケル・アナスタシアデスといった人気デザイナーに加え、今年はフォルマファンタズマと日本のネンドを初起用して、力の入った多数の新作を展示しました。例年よりもアーティスティックな製品が増えた印象があります。ミュージアムのような展示構成も効果的で、この空間のデザインはSalone del Mobile.Milanoアワードのベスト・ディスプレイ賞に輝きました。


ミラノサローネに出展した家具ブランドでは、歴史的な名作の新仕様と現代のデザイナーによる新作を組み合わせ、巧みにスタイリングした展示が例年以上に目立っていました。ウィーンが拠点のヴィットマンも、ヨーゼフ・ホフマンが20世紀初めにデザインした家具とスペイン出身のハイメ・アジョンによるアイテムをひとつの空間にミックスして見せました。ピンクやグリーンなど色使いのトレンドを押さえた展示構成もハイメ自身が手がけています。


フオーリサローネと呼ばれるミラノ市内のイベントは、新作家具だけでなくさまざまな企業が参加した多様な展示が観られます。今年、特に話題を呼んだ展示のひとつは、吉岡徳仁がLGとコラボレーションした「S.F_Senses of the Future」というインスタレーションです。広い空間にレイアウトされたのは、最新のOLED技術を応用した椅子。その姿はさまざまな光に彩られ、刻々と表情を変えていきます。また壁面では、無数のOLEDが太陽光線のような光を放ちました。この展示はミラのデザインアワードの最高賞を受賞しています。


オランダで活動するフォルマファンタズマの「Foundation」展では、フロスから発表された新作照明の試作過程の作品や、ギャラリーなどのためにデザインされた実験的な作品など、16点の照明作品が展示されました。レンズやダイクロガラスによって光に変化を与える発想は、科学者のようでも、アーティストのようでもあります。またイギリスのポール・コクセッジによる「EXCAVATION: Evicted」展は、ロンドンにある自身のスタジオの床をドリルでくり抜いて、家具の材料として用いた新コレクションを発表。大胆なコンセプトが多くの来場者の度肝を抜きました。


デザイナーの起用で目を引いたのは、2012年にスタートしたコレクション「Objets Nomades」の新作を発表したルイ・ヴィトン。日本でも知名度の高いスイスのアトリエ・オイや、中東出身でインテリアデザイナーとして活躍しているインディア・マダヴィの新作が並びました。旅をモチーフとするこのコレクションは、職人技を生かした作品の完成度が圧倒的です。またアメリカのカリコ・ウォールペーパーは、フェイ・トゥーグッド、アナ・クラシュ、スナーキテクチャー、bcxsyといった新世代のホープと言える4組を起用した壁紙を発表。いずれのデザイナーもきわめて自由に創造性を発揮していました。


今年のMilano Salone Descriptionのスポンサーでもあったカッシーナ・イクスシーが扱うカッシーナは、設立90周年を記念した書籍「This Will Be The Place」のメッセージをパトリシア・ウルキオラが空間全体で表現しました。テクノロジーや社会の変化によって革新していく近未来のインテリアを、カッシーナの家具にさまざまな要素をミックスして提示。フレキシブルな空間構成、インタラクティブな仕掛け、ユニークな色使いなどが来場者を驚かせました。グルチッチ、ブルレック、ウルキオラによる新作家具も発表され、90周年を迎えてさらなる先進性を追求する次の時代に入ったブランドの姿勢を印象づけています。


質疑応答では、日本のつくり手がミラノに出展するケースについて意見が述べられました。ミラノで体感するデザインシーンは、目まぐるしいほどに早く変化し、情報も複雑化しています。その動きを見きわめて的確に伝えるように、Milano Salone Descriptionは今後も継続していきます。



ミラノデザインウィーク2017

Milano Salone Description報告会レポート


日時:2017年5月31日(水) 18:00〜21:30

スピーカー:土田貴宏(デザインジャーナリスト)、青木昭夫(クリエイティブディレクター)

会場:インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター(東京ミッドタウン・デザインハブ)

定員:120名

参加料:3000円

主催:Milano Salone Description(協力:公益財団法人日本デザイン振興会)

文: 土田貴宏


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