宮崎県高鍋町 「高鍋デザインプロジェクト」 始動~九州初の“自治体×事業者×県内デザイナー×地元信用金庫” によるコラボ事業
高鍋町(宮崎県)が主催し、公益財団法人日本デザイン振興会(東京都)が企画運営を行う、地方創生に向けた事業「高鍋デザインプロジェクト」が2017年1月より始動します。高鍋町の事業者と宮崎県内のデザイナーをマッチングし、地域資源を活かした商品作りをはじめとして高鍋町の魅力をPRする取り組みを行っていきます。
現在、地方においては、地域資源を活用したオリジナリティある商品やサービスを創出すること、地域の魅力をアピールし県外や町外から観光に来てもらうこと、そして住民が地域でいきいきと働くことのできる環境づくりが重要な課題となっています。当プロジェクトでは、高鍋町に地盤を持ち地元企業の活性化を応援する立場の高鍋信用金庫と、デザインを通じて社会の問題解決に携わる日本デザイン振興会が協働し、高鍋町の魅力発信と地域のビジネス活性を図っていきます。
なお、実施にあたっては、信用金庫のセントラルバンクとして様々な金融サービスを展開する「信金中央金庫」と、宮崎県内企業の産業支援をおこなう「宮崎県工業技術センター」の協力も受け、ビジネス面とデザイン面で新規事業創出をサポートしていきます。当プロジェクトは、「地方創生地域づくりデザインプロジェクト ※」の第二弾となり、九州では初の事例となります。
事業概要
1)事業のポイント
● 地域内外の連携により、商品開発・販路拡大・情報発信・金融面の支援等を一体となって実施。地域資源を活用した「作る」から「売る」までをトータルに支援。
● 地域内関係者の協働、多様な支援主体により、地域の人材作りにも貢献。
● 今年度は、高鍋町のブランドコンセプトの検討、高鍋町事業者と宮崎県内デザイナーの連携による商品開発・リデザイン、情報発信・広報ツール開発を実施。
● 当プロジェクトで完成した商品は、ふるさと納税制度との連動、信用金庫による販路拡大支援、
日本デザイン振興会による情報発信支援等、政策間の連携、地域内外の取り組みとの連携を図ることにより、町の「稼ぐ力」の最大化を目指す。
● 将来的には、新規創業支援、若手経営者のネットワーク作り、移住促進などへ展開予定。
2)スケジュール
2016年 8月 高鍋町と日本デザイン振興会が契約
9月 事業者の募集、デザイナーの高鍋町訪問
10月 事業者とデザイナーのマッチング、ブランド検討会実施
11月 事業者に向けたブランド発表、商品開発開始
2017年 1月 メディア向けの実施発表会
3月 商品発表
3)プロジェクトの運営体制
・ 高鍋町:事業委託者
・ 高鍋町事業者:実施者
・ 宮崎県内デザイナー:デザイン
・ 高鍋信用金庫:地域内調整、経営支援、販路拡大支援
・ 宮崎県工業技術センター:商品開発・知財戦略アドバイス
・ 信金中央金庫:実施体制構築、運営支援
・ 日本デザイン振興会:事業受託者、プロジェクトの企画・運営・広報
4)高鍋町内の参加事業者(9社/50音順)
河野製茶工場(茶葉の製造・販売)代表:河野武彦(かわの たけひこ)
株式会社餃子の馬渡(餃子の製造・販売)代表:馬渡陽一郎(まわたり よういちろう)
有限会社たかなべギョーザ(餃子の製造・販売)代表:武末哲治(たけすえ てつじ)
ながとも農家(農業)代表:永友飛鳥(ながとも あすか)
(有)長谷川修身商店(和菓子の製造販売)代表:長谷川修身(はせがわ おさみ)
株式会社ひょっとこ堂(ゼリー、ジュース等の製造・販売)代表:田中陽一(たなか よういち)
有限会社藤原牧場(畜産・加工・販売)代表:藤原一信(ふじわら かずのぶ)
べにはな(飲食店)代表:黒木善隆(くろき よしたか)
株式会社ヤミーフードラボ(食品加工卸)代表:谷口竜一(たにぐち りゅういち)
5)宮崎県内のデザイナーによるクリエイティブチーム(6社7名/50音順)
小野 信介 (おのしんすけ) オノコボデザイン・延岡市 *高鍋デザインプロジェクト・デザインディレクター
黒田 シホ (くろだ しほ) クッキーデザインワーク・宮崎市
後藤 修 (ごとう おさむ) バッファローグラフィックス・宮崎市
平野 由記 (ひらの ゆき) デザインウフラボ・宮崎市
古川 浩二 (ふるかわ こうじ) ストロールデザイン・高鍋町
脇川 祐輔 ・ 脇川 彰記 (わきがわ ゆうすけ、わきがわ あき) はなうた活版堂・宮崎市
6)事務局
公益財団法人日本デザイン振興会 担当:鈴木紗栄 suzuki@jidp.or.jp tel:03-6743-3777 fax:03-6743-3775
〒107-6205 東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー5F URL:http://www.jidp.or.jp
ブランドコンセプト「まんぷく TAKANABE」
家族や愛する人へのおみやげとして、時には、自分のためのささやかなごほうびとして、みんなの心を“満福”にする商品を、高鍋町から提案します。高鍋町は宮崎県の中ほどに位置する町。県内で最も小さい面積の町は、人口およそ2万人、海と山の恵みをいっぱいに受けた農業と商業の盛んな町です。毎夏、広大なキャベツ畑一面に緑肥となるひまわりを咲かせるイベントは、「きゃべつ畑のひまわり祭り」として知られています。古くは奈良時代に城が築かれ、江戸時代には秋月家3万石の城下町として栄えました。第7代高鍋藩主秋月種茂公(米沢藩主上杉鷹山公の兄)により設された藩校「明倫堂」からは多数の人材が輩出されたことから、「歴史と文教の町」と呼ばれています。この地に生まれ育ち、学んだひとりである石井十次(いしいじゅうじ)は、明治時代に日本で最初に孤児院を創設し「児童福祉の父」として今なお慕われている人物です。家や家族を亡くした子どもたちのために孤児院を設立、独自の教育法で多くの孤児たちを育て上げ、社会へ送り出しました。十次の特徴ある教えの一つが、「満腹主義」。その時代、貧しい中でもなんとか工面し、子どもたちにお腹いっぱいごはんを食べさせるというものでした。その結果、子どもたちの精神は安定し、素行が改まっていったと言います。これは単に食欲が満たされたからだけではなく、十次の愛情が子どもたちひとりひとりに心の満足を成したからに違いありません。今は生活も便利で豊かになりましたが、愛情たっぷりに心を満たす 「まんぷく」 の教えは高鍋の町に息づいています。