「JAPAN BRAND FESTIVAL - TALK SALOOOON Vol.02」開催レポート
さる12月12日、「JAPAN BRAND FESTIVAL - TALK SALOOOON Vol.02」が東京ミッドタウン・デザインハブにて開催されました。
ジャパンブランドの未来を担う全ての人に開かれたプラットフォームとなることを目指す活動「JAPAN BRAND FESTIVAL」。年度や事業の縦割りと地域や分野の垣根を越え、情報やノウハウを共有し継承する画期的な仕組みとして、政府機関や自治体からも注目されています。
その活動の一つである「JAPAN BRAND FESTIVAL - TALK SALOOOON」。2回目の開催となる、トークと交流を軸にした未来志向のサロンです。
まず、主催者のロフトワークの秋元友彦氏、Culture Generation Japanの堀田卓哉氏より趣旨説明と、2017年3月1日に渋谷ヒカリエ8/で「JAPAN BRAND FESTIVAL 2017」が開催されることが発表されました。
一つ目のトークセッションで登壇したのはCEMENT PRODUCE DESIGN 代表取締役の金谷 勉氏。受注業としてのデザインだけではなく、自分たちで商品を作り流通させ、本拠地の大阪では飲食店も展開しています。そうした経験に加えて、様々な業種や地域との関わりから培われた商品開発事例と、説得力ある言葉に満員の会場は引き込まれました。
「僕らがやることは、工場の顔を作ること。日本の工場には、身体がシックスパックと言えるほど健康なのに、世の中とコミュニケーションする顔がないところが多い」「マーケティング感覚を持った意匠と考動」「伝統工芸という言葉にぶらさがらない」「生活の安定、そして新しいことへの挑戦、そして伝承」「価格設定は難しい。まず原価を考える。売り場を考える。まず作ることからは始めない」
「若い世代の職人のレベルが上がっている。だが若手デザイナーが出てきていない」「工芸や地元ならではの素材や技術を活用した地域ブランドが増えており、コモディティ化している」「生活実感がないと、たとえばシャンパンクーラーのような商品企画など富裕層向けのアイデアがでてこないケースが多い」
こうした各地の生産現場からの視点だけではなく、最近は自分の消費活動を実験台としてオーダーでの着物を楽しみ、消費から商品づくりにアプローチする方法を試しているそうです。
二つ目のトークセッションは「JAPAN BRAND FESTIVAL 2017」への前奏として、日本のブランドを海外へマーケティングする4つのプロジェクトの中心となっている以下の3名によるトーク。
「圧倒的な数で裾野を広げ、目利きが選び、海外バイヤーへつなぐ」『The Wonder 500』と『Travel Mine Japan』を担当する株式会社リヴァンプ池嶋 徳佳氏。
「グローバルチームとの商品開発とドイツやフランスのキーマンとの連携による販路開拓」を進める『Contemporary Japanese Design』を担当する株式会社 Culture Generation Japanの堀田 卓哉氏。
「少数精鋭のプロジェクトを支援し、商談成立で圧倒的な成果を出す」『MORE THAN プロジェクト』を担当する株式会社 ロフトワークの秋元 友彦氏。
それぞれの事業概要を説明し、最前線で感じるジャパンブランドの今をそれぞれの言葉で紹介しました。
「世界的に和モダンの浸透というトレンドがある。なぜ、日本でメキシコ料理が美味しいにも関わらず大きな流行に至らない一方、イタリア料理がこれだけ浸透しているかというと、女性の旅行者が多いから。日本への旅行者が増えている今はティッピングポイントの直前なのではないか。今、棚(売り場)がない商材もこれから拡がる可能性があるのでは」(池嶋氏)。
続く懇親会は前回同様にとても活発なものでした。来場者はたとえば、起業、マーケティング、流通、デザイン、日本文化、教育、行政などに関わる方々。およそ半数が初めての参加ということで、そこここで出会いがあり、今後の新しいうねりが始まる予感を感じることができました。
JAPAN BRAND FESTIVAL– TALK SALOOOON Vol.02
日 時:2016年12月12日(月)18:00〜21:00 (開場 17:30)
会 場:インターナショナル・デザイン・リエゾンセンター (東京ミッドタウン・デザインハブ内)
参加費:1,500円(1Drink)
主 催:JAPAN BRAND FESTIVAL運営事務局
協 力:公益財団法人日本デザイン振興会