"Design-Driven Innovation Breakthrough" 台北市にて開催
2015年7月に日本デザイン振興会は、台湾最大の研究機関である工業技術研究院(Industrial Technology Research Institute:ITRI)とデザイン振興活動に関する協定を結びました。その協定に基づき、昨年に10月12日に台北市で開催された ITRI主催フォーラム「2016 Dechnology Forum "Design-Driven Innovation Breakthrough"」に引き続き協力をしました。
今回はイノベーションが全体のテーマであり、富士通株式会社 マーケティング戦略室 シニアバイスプレジデントの加藤公敬さんに出演を依頼。加藤さんは「富士通デザインの変遷とイノベーションへの取組み-富士通の経営課題の克服に向けて-」と題した講演を行いました。
会場に集まった約200名の参加者に向け、加藤さんは通信からコンピュータへ、プロダクトからサービスへ、そしてIoT・ビッグデータ・AIへと変化の激しい環境を如何に富士通が捉え、経営やマーケティングに寄与するデザイン部門を目指し「富士通のデザイン」の組織や役割をどのように変えていったのかをまず説明されました。その後、今後期待されるデザイン部門やデザイナー像に対して、「デザイン思考」や「オープンコラボレーション」、さらに「フューチャーセンター」「イノベーションセンター」「リビングラボ」など実践する場の最新のトレンド状況を踏まえ、イノベーションを起こす方法や秘訣などを丁寧にプレゼンテーションされました。
加藤さんの他には、『デザインドリブンイノベーション』を執筆されたROBERTO VERGANTI氏をはじめ、Philipsや、Novo Nordiskなどのデザイナーも登壇され、最後には出演者全員によるパネルディスカッションも開催。ここでも加藤さんから、日本で現在進行していることや、経営に対するデザインへの期待について言及されました。
翌日、加藤さんは台北から約1時間の場所にある新竹に移動し、ITRIの開発拠点において、前日の講演内容をアップデートした内容で再び講演をされ、その後参加した研究者からの密な質疑にも応答していただきました。
日本のITサービス企業で第1位、世界で4位となる富士通であるが、台湾においては同社のデザイン活動を明確に示すにはとても良い機会であり、台湾のデザイナーやエンジニアにとっては、フューチャーセンターやリビングラボなど日本が先導している事例の説明は大きな刺激となった2日間でした。
当会はと今後もITRIと連携を続け、一層深い交流活動を展開していきます。