美大生が水と環境に目を向け、表現に挑むために
武蔵野美術大学と日本河川協会が5月7日(木)にインターナショナル・デザイン・リエゾンセンターで開催したスペシャルトークライブ「水はデザインできるか? -次世代に引き継ぐための水環境をデザインの視点から考える」は、美術大学生に対して「水」と「環境」への関心を喚起させ、新しい表現活動の糧となることをめざした実験的な試みでした。
武蔵野美術大学の長澤忠徳学長の挨拶に続き、各界で活躍する3氏から、それぞれのキャリアと視点に基づいた「水」と「環境」に関する提起が行われました。
進士 五十八 (元東京農業大学学長/ 日本水大賞委員会委員)
人類は古来より「水」の存在によって生活スタイルや庭園、街の景観などを造り上げてきた。古代エジプトや日本、中国、ブラジルなど国の文化や宗教によってその造り上げられる景観やとらえ方は様々であることを、歴史的資料を参照し解説した。
赤星 たみこ(漫画家/ 日本水大賞委員会委員)
漫画家の仕事が多忙だったため、ごみを捨てる時間さえ面倒だったことから「いかにごみを出さないか」「ごみを減らそう」と意識し始めた。現在では4つのR「Refuse、Reduce、Reuse、Recycle」を実践していることを自身の漫画を通じて解説した。
毛利 衛 (宇宙飛行士/ 日本水大賞委員会委員長/ 日本科学未来館館長)
宇宙からみた地球をみて初めて「地球は水によってデザインされている」と認識した。宇宙ステーション内の実験風景や、宇宙から見える地球の森林や河川など、貴重な映像資料をもとに、地球上での水環境がいかに豊かであるかを訴えてきた。一方、枯渇していく資源や汚染されていく水環境についてこれからの世代を担う若者たちがどのように現状をとらえ、行動 (デザイン)するかが日本や世界の水環境を保全する上で重要であろう。
なお、水と環境の未来を考える「日本水大賞」が7月7日から募集を開始します。
http://www.japanriver.or.jp/taisyo/
まとめ:千羽一郎(武蔵野美術大学)