誰かのための、何かのためのデザインをめざしてーAny Tokyo
今回グッドデザインエキシビション2013(G展)が開かれる東京ミッドタウンで、2012年まで開催されていた「DESIGNTIDE TOKYO」。クリエイションを通じて社会への提起に果敢に挑む姿勢は、国内外のデザイン関係者を中心に高い支持を集めていました。昨年で惜しまれつつ終了するも、その精神は東京の新たなデザインのムーブメントへと発展を遂げました。今年青山で開催中のイベント「Any Tokyo」もそのひとつです。
「Any Tokyo」はDESIGNTIDE TOKYOのディレクターを務めた青木昭夫氏と田中雅人氏が中心となって運営されているデザインイベントです。今回は、エニートーキョー実行委員会のディレクターを務める青木昭夫さんの声をお届けします。
なぜAny Tokyoなのか
東京のデザインイベントに関わっていた者として、DESIGNTIDE TOKYOの終了はとても感慨深く、残念でしたが「リセットされることでまた新しい動きが生まれる」とポジティブに思えました。さまざまなところで自発的なデザインイベントやエキシビジョンが始まっています。ミラノ・サローネが世界から人が集まるプラットホームになったのも、デザイナーや業界の自発的な動きが集結し、全体として盛り上がってきたから。それぞれがどう集客するか、どう来場者を楽しませるか、そしてどうビジネスにつなげるかを考えて、集合体として東京のイベントが盛り上がっていくのはとてもいいことだと思えました。そのような状況が湧き起こる中、日本のデザインシーンに寄与できるような活動をしたいと田中雅人と考えて、Any Tokyoを始めることにしました。
東京のデザインイベントは、その始まりは家具業界で、そこから徐々にライフスタイル全般に拡大し、今やクルマや家電にまで広がってきましたが、それでもインテリアが主体です。ここに、もっと日本が誇るべき技術や伝統、革新性とのクロスオーバーがあってもいいのではないか?と考えました。
アップルの人々を魅了する力、サムスンの成長を横目に見ながらも、日本の持っているテクノロジー、技術は伝統工芸を含め、世界的に見ても本当に素晴らしくて、卓越していると思います。ただ、それを「編集」して「届ける」部分が弱いのではないか。もっと、そういったことを知り、触発され、インスパイアされることが必要だと思いました。
Any Tokyoの会場は、この期間中多くの方が行き来するルートになる、青山通り沿いの青山シーアイプラザです。会場としてもこういったイベントを行うのは初めての試みなのですが、足を運びやすい場所なので、たくさんの人に来てほしい。300平米強で、大すぎず、小さすぎず、ちょうどよい大きさで見応えのあるイベントになると思います。全員ではないですが、デザイナーに会うこともできると思います。
Any Tokyoがめざしていくこと
Any Tokyoでは、家具やプロダクトデザインだけでなく、テクノロジー、サイエンス、アートなどジャンルの幅を広げました。だいたい15組20名くらいが出展します。
クラフトをはじめとする堅実でアノニマスな、長く残るデザインをリスペクトする一方で、何かを新しくデザインする、ということはそれらを「超えていく」力をもったものを生み出さなければいけないことでもあります。いろいろなジャンルの革新からインスパイアされて、それがこれからのプロダクトやインテリアやファッションに影響していくような、みんなが「これからのデザイン」を感じられるものを紹介していきたいです。
クラフトをはじめとする堅実でアノニマスな、長く残るデザインをリスペクトする一方で、何かを新しくデザインする、ということはそれらを「超えていく」力をもったものを生み出さなければいけないことでもあります。いろいろなジャンルの革新からインスパイアされて、それがこれからのプロダクトやインテリアやファッションに影響していくような、みんなが「これからのデザイン」を感じられるものを紹介していきたいです。
Any TokyoのAnyには、「Anything for Anyone」、誰かのためになる何か、何かが何かのためになっていく、というデザインの本質を改めて意識したい、という意味をこめています。
20年後にも残っているような、これからのライフスタイルを豊かに変革していくもの、それによってさまざまなことが円滑になったり、ハッピーになったり、わくわくする、安らぎを感じる、そんな「可能性」に満ちていて「心に残る」デザイン、そして私たちの生きる「社会に役立つ」デザインを紹介したいと思っています。
Any Tokyo
会 期:10月26日(土)-11月4日(月/振休) 11:00-20:00
会 場:青山シーアイプラザ2階
入場無料
会 場:青山シーアイプラザ2階
入場無料
主 催:エニートーキョー実行委員会
お問い合わせ:エニートーキョー実行委員会 info@anytokyo.com
お問い合わせ:エニートーキョー実行委員会 info@anytokyo.com