公益財団法人日本デザイン振興会 公益財団法人日本デザイン振興会

2020 東京大会のデザインを考えるプラットフォーム

東京オリンピック開催に向けた発足について

公益財団法人日本デザイン振興会は、2020 年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市が東京に決定したことをうけ、デザインにおける横断的な取り組みを目的に「2020東京大会のデザインを考えるプラットフォーム」( 以下、「2020 デザインプラットフォーム」) を10 月1 日に発足しました。

1964 年の東京オリンピックは、日本の戦後史のエポックであり、その後の経済成長に大きな貢献を果たしました。開催にあたっては、シンボルマークやポスター、ピクトグラム、サインなどのコミュニケーションデザイン、聖火トーチやメダルなどのプロダクトデザインなどあらゆるデザインを、当会が主催するグッドデザイン賞のシンボルである「Gマーク」のデザインを手がけた亀倉雄策氏をはじめ、勝見勝氏、原弘氏、河野鷹思氏、田中一光氏、柳宗理氏、永井一正氏、勝井三雄氏、栄久庵憲司氏などの諸先輩方がジャンルを越え総力を結集し組織的に取り組みました。このデザイン横断的な取り組みは、東京大会の成功を導き、国際的にも高い評価を得て、その後のオリンピックの規範にもなった歴史に残るデザインプロジェクトであると言えます。同時に、日本のデザイン界および産業文化発展の礎にもなりました。

東京はデザインと共に成長し、成熟度の高い文化都市となりましたが、7 年後の大会を新たな契機と捉え、さらに平和で世界的に誇れる創造都市になるためにデザイン界として責務を果たすべきです。そして、デザイン界がオールジャパンの体制を整え、世界中から訪れるお客様に日本の文化的成熟度を示すことが、意義のある「おもてなし」であると考えています。

「2020 デザインプラットフォーム」は、東京オリンピックに対してデザイン業界に従事する人々の主体的な意志を取りまとめていきます。当初は、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会( 会長: 浅葉克己)、公益社団法人日本インダストリアルデザイナー協会( 理事長: 田中一雄)、公益社団法人日本サインデザイン協会( 会長: 定村俊満) などの公益性をもつプロフェッショナルなデザイナー団体や主要大学などと連携をはかり、デザインの進め方や決め方などの仕組みづくりを中心に検討を進めます。

「2020 デザインプラットフォーム」は、主に以下の7 つの提言と活動を行う予定です。

  1. 2020 年開催が決定した東京オリンピック・パラリンピックにおけるデザイン・ポリシー策定への提言
  2. 上記を世界レベルでデザインマネジメントするための組織設置への提言
  3. 東京大会に関連して開催される各種の文化・芸術プログラムにおけるデザインからの提言
  4. 2020 年以降の東京のあるべき姿を、デザインの視点で論じ具現化していくための提言
  5. 東京大会を契機として、日本のデザイン力・文化力の高品質性を世界に示すための活動
  6. 次の時代に新たに必要とされるデザイン分野を開拓する活動
  7. デザインの成果を正しく次世代に継承する活動

10 月下旬にはオープン形式のシンポジウムを開催し、多くの賛同者に集まっていただくなどの活動を展開し、年内には「2020 東京大会デザインフォーラム( 仮称)」を設置する予定です。詳細情報は当会のウェブサイトで順次発信していきます。

メッセージ

いまこそデザインの総力を結集する時

オリンピックはスポーツの祭典であるとともに、平和と文化の祭典でもあります。その国の文化のレベルを向上させ、その文化の力を通じて、国際社会をさらに豊かなものへ高める大きな機会となります。オリンピックがそのような場であるために、デザインが大切な役割を担います。2020 年の東京オリンピック開催を通じて、世界に誇れる日本の文化を示すために、いまこそ日本のデザインの総力を結集しなければなりません。

1964 年の東京オリンピックでは、日本のデザインが大きな力を発揮しました。建築・都市計画・グラフィック・インダストリアルなど、さまざまなデザインの精鋭たちが集い、高度成長期にあった当時の日本の国力と結びつき、日本の文化と産業を世界に伍したものへと引き上げることに貢献したのです。その時に生み出されたオリンピックのシンボルマークは、オリンピックの象徴にとどまらず、人々を結びつけ、その力を結集させ、人々の意志がつねにそこに立ち返るためのシンボルとなりました。さらに、サインやピクトグラム( 図記号) の数々も、その後不断の改良が加えられることで、のちの社会に欠かせないインフラストラクチャーになったのです。

これらの、初代東京オリンピックを通じてもたらされた世界に冠たるデザインのポリシーは、日本の誇る文化遺産であり、日本のアイデンティティとしてさらに発展させていくべきものです。新しい東京でのオリンピックが成功するために、確かなポリシーのもとで、人々の意志を集約させて強力に束ねていくための質の高いデザインが求められています。

初めての東京オリンピックから50 年の時を経て、大きく発展した日本のデザインの力をもって、次の新たな時代を築いていく時なのです。

永井一正(公益財団法人日本デザイン振興会 前会長、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会 特別顧問、日本デザインセンター 最高顧問)

50年後の未来にむけて

1964年の東京オリンピックで展開されたデザインは、さまざまな人々の気持ちを集め、新しい生活や産業、そして社会を築いていこうとする力を、私たちに与えてくれました。当時は、またまだ戦争の影が癒えていない時代でした。平和の祭典は、この痛みをぬぐい、新たな飛躍を遂げていく大きな契機となりました。そして、その素晴らしいデザインは、オリンピックを成功に導いた大きな要因となっただけでなく、いわばデザインの力を示す「ひながた」として、それ以降の社会全体の発展を導いていきました。

このオリンピックが、50年余の歳月を経て、また東京で開催されることになりました。日本に新たな飛翔を求める世界中の声が、この実現を後押ししてくれたのでしょう。この期待に応えるためにも、私たちは次世代をリードしうるデザインを生みださなければなりません。

50年前と比べて、地球は狭くなりました。世の中はより便利にかつ複雑になりました。しかし、争いや差別のない社会を実現しようとするオリンピックの精神は、色褪せるどころか、その重要性をさらに増しているのです。2020年の東京オリンピックのデザインは、この崇高な精神にのっとった社会を実現しようとするメッセージであり、少なくとも次世代を照らす「ひながた」でなければならないはずです。

その実現は、高度に発展を遂げた日本のデザインにとっても、決して容易ではありません。安易な解決を求めた途端、世界の方々の日本への期待は吹き飛んでしまうのです。

そこで、日本デザイン振興会は、さまざまな分野のデザイナーが結集し、デザインを開陳し、その英知を相互に磨き上げていく機会を提唱したいと考えました。まず、日本が築きあげてきたデザイン資産を継承すること。新しい社会環境を踏まえたデザインの活用を導くこと。さらには次世代を示唆するビジョンをつくりあげること。

2020年までの7年間は、ちょうどよい準備期間かもしれません。私たちは、オリンピックのデザインを核に、その力を社会全体の発展へと生かしていく展開を、しっかりとプログラムしていかなければなりません。

川上元美(公益財団法人日本デザイン振興会 会長)

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