公益財団法人日本デザイン振興会 公益財団法人日本デザイン振興会
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【リエゾンセンター・イベントレポート/2024年10月5日】システミック・デザインゼミ vol.2 インクルーシブな社会実現のために、デザインは何が可能か。

イシュープラスデザインは、「社会の課題に、市民の想像力を」を合言葉に2018年より活動をしております。認知症、脱炭素、風水害、地方創生、海ごみ、感染対策、など複雑で難解な社会課題(イシュー)に対して、美しさと面白さ(デザイン)の力で、解決をすることに取り組んできています。

これまでも「認知症世界の歩き方」「親子健康手帳」「みんなで就学活動」「プレ・シングルマザー手帳」など、マイノリティ(少数者・少数派)と呼ばれる人たちのためのプロジェクトに取り組んできました。偏見や差別などにより社会的に弱い立場の人々はまだまだ軽視され、多くの障壁や困難に直面をしています。

今回ゲストは、作家の乙武洋匡氏です。教育や政治を通じ社会システムそのものを変革させることで、インクルーシブな社会の実現に尽力されている乙武さん。日本のダイバーシティ・マイノリティ分野におけるオピニオンリーダーをゲストに迎え、日本の社会システムを変革するためには何が必要なのか、次の日本はどうあるべきなのかを一緒に考えていきました。

教育や政治の世界で活動している乙武氏の講演・トークセッションの中で特徴的だったのは、障害の社会モデルです。障害の社会的モデルとは、障害は個人の心身機能の問題だけでなく、社会のあり方によって生み出される障壁との相互作用によって創り出されているものであり、その障壁を取り除くのは社会の責務であるという考え方です。

私たちが普段暮らしている中で、障害について考える機会がなかったり、障害のある方との接することがなくなったりと、私たちの無意識的な行動が障害の社会的モデルを強化してしまっていることに気づかされました。分断・分離が進む中で、接することがないから、配慮・想像ができずに、また分断・分離が進んでいってしまう。誰かの不便さをなくすための活動が、誰か別の人の不便さを生んでしまっていることも実感しました。

 今回のイベントには非常に多くの子どもたちも参加してくれました。日々の生活の中ではなかなか直接接することがない「障害」という社会課題を考え、私たちの障害観を考える良い機会になりました。


開催日:2024年10月5日(日)

時間:14:00-15:30

ゲスト:乙武洋匡、新居 日南恵

ホスト:筧 裕介

主催:issue+design

協力:公益財団法人日本デザイン振興会

参加費:1,000円

参加者:55名

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